高度な医療に対応可能な有料老人ホーム「㈱アグリケア」


アグリ先生写真㈱アグリケア代表 兼メドアグリクリニック所長
伊藤俊一郎さん(36)
外科・心臓血管外科専門医
(2004年筑波大学医学専門学群卒業)

11年間心臓外科医として勤務した後、2014年6月から開業準備に入る。15年6月、つくばみらい市に入院・リハビリ施設のある在宅療養支援診療所「メドアグリクリニック」を開所し、同年9月には住宅型有料老人ホーム「アグリケアガーデン」をオープンさせた。㈱アグリケアの代表のみならずクリニックの所長として自ら訪問診療もこなし、有料老人ホームと診療所に加えて、農林水産分野での事業展開も視野に入れたメドアグリケアグループの代表として力量を発揮している。クリニックでは、つくばみらい市を含む16km圏内に150人の患者を抱え、50床を有する老人ホームも23部屋が埋まっている。高齢化が進む中、訪問診療や老人ホームのような時代に即した医療サービスを提供し、同様の活動を他地域にも広げたいと意欲を示す。

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新潟県ご出身とのことですが、筑波大学の印象はどうでしたか?

―田舎に来たとがっかりしている人もいましたけど、僕は都会に来たと感じました(笑)。

筑波大学ではどんな生活を送っていましたか?

―医学部内の生徒同士の交流も活発でしたし、その他にもアカペラサークルDoo-Wopに所属したり、医学バスケ部で汗を流したりと、色々な活動に積極的に参加しました。

在宅での看取りを支援

ベンチャー企業「㈱アグリケア」を立ち上げようと思ったきっかけは何ですか?

―高齢者は2040年まで増え続け、亡くなる方が年間で40万人増えると予想されています。医療費抑制のため、国としては病院の数は減らしていく方向にあるので、今後は地域が一丸となって在宅での看取りに協力する体制の確立が必要です。また入院しても家で最期を迎えたいという患者さんの声が多いのも事実で、訪問診療を通して患者さんのケアを行い、家族のサポートもしていきたいと考えていました。

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在宅療養支援診療所はまさにそのために立ち上げたものといえるわけですね。

―そうです。つくばみらい市には入院施設が1件もありませんでした。最初の3カ月は古い一戸建てを借りて訪問診療と訪問看護を始めました。「在宅療養支援診療所であれば入院施設を持てる」という国の特例を生かし、入院・リハビリ施設も完備したわけです。最近では退院後、日中に当リハビリ施設を利用する患者さんも増えてきました。

終の住み処を目指す

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㈱アグリケアは老人ホームと聞きましたが…

―一方で認知症などを患った高齢者を抱える家族に過度の負担がかかる介護の分野では、患者さんに最高のホスピタリティーを提供できるような施設を作りたいと思っていました。会いに来た家族にも気持ち良く過ごしてもらえるような環境を整えることで、終の住処となり得るような老人ホームを作りたいと思い、準備に取りかかりました。国産木材を使用したデザイナーズログハウスで、木材の香りに包まれながら地元の食材を使った食事を楽しんでいただけるように、施設内で調理も行っています。

老人ホームに高度医療を導入

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ほかに特徴はありますか?

―普通の老人ホームでは受け入れていない患者でも受け入れられる所が一番の特徴です。点滴や在宅酸素、人工呼吸器、在宅透析が居室内で受けられるため、高度な医療に対応できると自負しています。

ご出身とは異なる土地で、準備期間も色々と大変だったのでは?

―まずは資金繰りで、それから施設の準備のために、色々と奔走しましたがとても勉強になりました。同時に施工会社とアグリケアの建物について打ち合わせをしながら、昨年1月に1人、2月に1人と徐々にスタッフを雇いながら、現在では約40人のスタッフに恵まれています。

地産地消に力を入れ、地域医療の発信基地を目指す

卒業生や大学発ベンチャーとの交流はありますか?

―筑波大のネットワークを生かし、卒業生の協力を得ながら診療に当たっています。先生によって異なりますが、週に1回から月に1回の頻度で、皮膚科や泌尿器科、整形外科、内科、産婦人科などの先生方に協力いただき、15人でローテーションを組めるまでになりました。居室内でさまざまな專門医療を受けられるのが、有料老人ホームの売りになっています。
食の分野では、同じく筑波大学発ベンチャーの「塚原牧場」から特別に梅山豚を卸してもらっています。できるだけ地元産の農産物・畜産物を使うようにしていて、地元の野菜や鴨肉を使った食事は、入居者からも「おいしい」と評判です。

今後の展望は?

―メドアグリケアは、地域における医療の発信基地だと思っています。家で家族を看取っていけるようなケアサポートや情報の発信に尽力し、16キロ圏内に当グループの施設が1件あるようなモデルを作っていきたいと考えています。失敗しても、チャレンジし、苦労して、自分で壁を乗り越えながら、会社を育てていきたいですね。

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