▼ イベント等のご案内


「第3回 筑波大学発ベンチャーシンポジウム」を開催します

筑波大学では、オンラインにて「第3回 筑波大学発ベンチャーシンポジウム」を開催いたします。

皆様に当大学発ベンチャーをご紹介しご支援を賜るために、今年は「ニューノーマルな時代に果敢に挑む筑波大学発ベンチャー」と題しまして、筑波大学学長 永田恭介とピクシーダストテクノロジーズ代表取締役 落合陽一による基調対談をはじめ、4つの特別対談 や約30社のベンチャー紹介を予定しています。

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 第3回 筑波大学発ベンチャーシンポジウム
 「ニューノーマルな時代に果敢に挑む筑波大学発ベンチャー」
 2021年2月24日 (水) 〜 2月27日 (土) オンライン開催
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主  催 :国立大学法人筑波大学
後  援 :経済産業省(予定)・文部科学省(予定)・茨城県・つくば市
      一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会・筑波大学産学連携会
プログラム詳細(参加申し込み):https://2020.utventuresymposium.com/

筑波大学発ベンチャーシンポジウム事務局
 event-sanren                            
 URL:https://www.sanrenhonbu.tsukuba.ac.jp/


令和2年度シーズ発表会 筑波大学及び茨城大学との技術交流会〜「食」で紡ぐ健康と地域イノベーション〜

筑波大学と茨城大学から、農業生産、食品加工、食品機能性等の「食」に関する研究組織及び研究シーズ、取り組みを紹介します。健康寿命を延ばすための方法や技術、具体的サービス、ドローンを活用したスマート農業、HACCP等に興味のある企業の方々や支援機関の皆様は、 是非ご参加ください。

   
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 日 時 令和3年3月10日(水) 13:30 〜 15:30
 開催方法 Zoomビデオウェビナーによるオンライン開催にてライブ配信
 対象者 県内中小企業等
 定 員 80名(先着順) 募集締め切り 3月5日(金)
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プログラム詳細および参加申し込み:
 https://www.sanrenhonbu.tsukuba.ac.jp/%e4%bb%a4%e5%92%8c2%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%82%ba%e7%99%ba%e8%a1%a8%e4%bc%9a%e3%80%80%e7%ad%91%e6%b3%a2%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e5%8f%8a%e3%81%b3%e8%8c%a8%e5%9f%8e%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e3%81%a8/


▼ 今月のおすすめニュースピックアップ


「新型コロナに係る学生への食料支援事業」を実施

新型コロナウイルス感染拡大の影響で実家から仕送り、アルバイトの激減等により困窮する学生の食事を支援するため、地域の企業・法人の方々、卒業生の皆様方、教職員などから、お米7トン、カップラーメン24,000個、白菜・キャベツ各500個以上を含む農産品、 その他パスタ、お菓子類など、総量にして約20トンのご支援をいただきました。

この度の「新型コロナに係る学生への食料支援事業」においては、大変多くの方々にご支援を賜り、深く感謝申し上げます。

なお、第2回目の本事業について2月17日、18日に実施予定です。

https://www.tsukuba.ac.jp/news/20210129113653.html (筑波大学公式 HP)


「筑波会議2019」が「2020年度日本政府観光局(JNTO)国際会議誘致・開催貢献賞」特別賞を受賞

日本政府観光局(JNTO)は、国際会議の意義の普及啓発や更なる推進を図るため、2008年度より国際会議の誘致・開催におけるベストプラクティスを表彰し、その功績と努力を称えています。
今回、2019年度中に誘致・開催された国際会議の中から、「筑波会議2019」が特別賞を受賞いたしました。
筑波会議が、研究学園都市の特徴を生かした新しいコンセプトの会議として開催された点などを評価頂いたものです。
筑波会議2019の開催にあたり、多大なるご支援、ご協力を賜りました参加者並びに関係者の皆様に、改めて深く御礼申し上げます。
なお、筑波会議2021は、2021年9月21日(月)〜 30日(木)に、つくば国際会議場及びオンライン形式にて開催予定です。

参考リンク:
JNTO報道発表:2020年度「国際会議誘致・開催貢献賞」の受賞会議が決定!
https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/20210129_4.pdf

JNTO:「2020年度日本政府観光局(JNTO)国際会議誘致・開催貢献賞」ページ
https://mice.jnto.go.jp/about-jnto/activities/commendation/

https://tsukuba-conference.com/archives/1444  (筑波国際会議 HP)


ペルー国立サンマルコス大学と筑波大学が日本とペルーにサテライトオフィスを設置

2月9日、ペルー国立サンマルコス大学(UNMSM)と筑波大学のサテライトオフィスの開所式が執り行われました。
ペルー側にはペルー事務所(Study in Japan)を、本学には学内オーバーシーズ・コモンズにサテライトオフィス(Study in Peru)が設置され、ますます両国間での人材育成、交流の強化が期待されます。
式典には、オンラインにて、片山和之在ペルー日本国特命全権大使が、ペルー外務省教育関係スポーツ局からはエドワルド ラファエル ベルナレス メサ局長が、サンマルコス大学からはオレステス・カチャイ・ボサ学長らが参加されました。

サンマルコス大学と本学とは、2017年より留学フェアや、学長会議開催等、両国の大学間のネットワーク構築に向けた活動を展開しています。
また、サンマルコス大学は12校が参加するペルー国立大学国際化ネットワーク(Runai)の幹事校であり、両国の大学間交流のハブとしての機能が期待されます。
本学は、文部科学省の日本留学海外拠点連携推進事業(南米拠点)の採択機関としてオールジャパンでの日本への留学促進に向けて、南米諸国との連携強化に努めています。 今回のサテライトオフィスの設置により、ますます両国間での人材育成、交流の強化が期待されます。

https://www.tsukuba.ac.jp/news/20210210092015.html  (筑波大学公式 HP)


睡眠と冬眠に関する研究プロジェクトがAMEDムーンショット型研究開発事業に採択

柳沢 正史機構長が、日本医療研究開発機構(AMED)の実施するムーンショット型研究開発事業「2040 年までに、主要な疾患を予防・克服し 100 歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現」に プロジェクトマネージャー(PM)として採択されました。

国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)ではAMEDのムーンショット目標に基づき、【日常生活の中で自然と予防ができる社会の実現】および【世界中のどこにいても必要な医療にアクセスできるメディカルネットワークの実現】を目指し、 以下の研究開発プロジェクトを今後5年間進めていきます。

研究開発プロジェクト
 睡眠と冬眠:2つの「眠り」の解明と操作が拓く新世代医療の展開
代表機関
 筑波大学
プロジェクトマネージャー
 柳沢正史

AMED オフィシャルwebsite : https://www.amed.go.jp/koubo/18/03/1803C_00003.html

https://wpi-iiis.tsukuba.ac.jp/japanese/news/1705/ (筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 HP)


▼ 筑波大学エクステンションプログラムのご案内


筑波大学エクステンションプログラムのご案内です。
筑波大学エクステンションプログラムは、研究成果を一般の皆様にお伝えするため特色ある講座を
開講しています。
講座は随時開設中。詳細は http://extension.sec.tsukuba.ac.jp/

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  1.2021年度CFAレベル1試験準備コース(春期)

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1.2021年度CFAレベル1試験準備コース(春期)
【 開催日 】 2021年4月16日(金) 〜 7月30日(金)
(オンデマンド型講義16回、リアルタイム質疑応答会2回)
【 開催方法 】 録画配信により開催(リアルタイムでの質疑応答会あり)
【 対 象 】 CFA試験合格を目指すビジネスマン
【 受講料 】 48,000円(税込)
【申し込み】 筑波大学エクステンションプログラムHPより2021年4月4日(日)まで


▼ 研究成果関連ニュース


持久力が高く認知機能が優れている人は、多く瞬きをしている〜ドーパミン神経の関与が浮かぶ〜

日常的によく運動し、持久力が高い人ほど、認知機能も高いことが最近の研究でわかってきました。持久力も認知機能も太古の昔から人類が生存する上で重要とされており、その関係性を埋める機構がどんなものかは、進化論的にも興味深い問題として衆目を集めています。 そして、両者はいずれもヒトの前向きな行動と関連することから、その背景には、何らかの共通する脳機構が存在していることが想定されます。

「目は口ほどに物を言う」と言われます。実は、私たちが意識しないうちに行っている瞬き(自発性瞬目)は、その頻度が脳内の情報処理、とりわけ前向きな行動や認知機能に重要なドーパミン作動性神経(ドーパミン神経)の活動と密接に関係することがわかってきました。 果たして「瞬き」は、持久力と認知機能を繋げる脳機構の指標となり得るのでしょうか。

そこで本研究では、自発性瞬目率と持久力、前頭前野が司る認知機能(実行機能)の3者の関係について、若齢男性を対象に横断的に調べました。その結果、高い持久力を持っている人ほど安静時の自発性瞬目率が多く、また、高い認知機能を持っていることを見出しました。 瞬きが多い人はドーパミン神経の活動が高いとされていることを踏まえれば、持久力と認知機能の相関関係の橋渡し役をドーパミンが務めていることを示唆する結果であると言えます

今、コロナ禍で多くの人々の活動制限が余儀なくされています。これが続くと、自ずと持久力が落ちるだけでなく、連動して認知機能も落ちる可能性があります。この打開には、薬ではなく身体活動を伴う取り組みが推奨されます。その際、普段の生活の中で、 ドーパミン神経の機能を標的とした身体活動・運動トレーニング条件を工夫すると良いかもしれません。さらに、この「瞬き」を新たな指標とし、身体活動効果を反映するバイオマーカーとして応用可能となることも期待されます。

https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20210201140000.html (筑波大学公式 HP)


脳の神経細胞が行う掛け算の仕組みを解明

朝起きて、体を動かし、ご飯を食べて、寝る。そうした私たちの日常生活全ての間、脳の神経細胞が活動しています。そして、その活動に応じて物を認識し、感じ取り、行動を生み出します。この脳活動はよく計算に例えられます。コンピューターは0と1を組み合わせた2進数で計算しますが、 脳の神経細胞はどのように計算しているのか、その根本的な計算の原理はよく分かっていませんでした。

本研究では、数学を用いた新たな解析技術を開発することで、神経細胞の集まりが、期待値と呼ばれる確率と量の掛け算を行う仕組みを発見しました。

具体的には、ヒトと同じように期待値を計算する訓練をした実験動物のサルで、脳活動を記録しました。その記録した脳活動を、線形代数と多変量解析と呼ばれる二つの数学的な手法を組み合わせた、新開発の技術で解析しました。 従来の解析手法は、便宜的に脳の神経細胞の活動を一定時間の平均として捉えていたため、ごく短時間の間に瞬間的に現れる脳の活動を捉えることができませんでした。しかし、新たに開発した解析手法では、時々刻々と変化する脳の神経細胞の活動を真に0.02秒毎に捉えて、精密に解析することができます。

その結果、実験動物のサルでは、脳の中の二つの領域(前頭眼窩野中央と腹側線条体)が、期待値を計算していることを示す活動をすることが明らかとなりました。まるで、ヒトが暗算をするようにサルが瞬時に掛け算を行っていることを意味するような、脳の神経細胞の活動です。

今回開発した脳活動の解析技術は、誰でも簡単に、ほぼ全ての神経活動データを解析することが可能です。この技術を用い、脳における新たな計算の仕組みが続々と発見されることが期待されます。

https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20210205140000.html (筑波大学公式 HP)


成人男性を対象とした風疹の定期接種制度の利用率を上げるには?〜インターネット調査の結果から〜

風疹はワクチンで防げる感染症です。しかし、日本では、子供の頃に予防接種を受ける機会がなかった成人男性を中心とした流行が、現在も周期的に起きています。妊婦が感染すると、赤ちゃんの目や耳、心臓などに障害が生じることがあり、「先天性風疹症候群(CRS)」と呼ばれます。。

妊婦の感染を防ぐには、男性も含めた予防対策が重要です。このため、過去に風疹の予防接種を受けたことがない1962年度から78年度生まれの男性を対象とした風疹の定期接種制度が2019年度から始まりました。初年度は1972年度から78年度生まれ(41〜47歳)の男性ほぼ全員に、居住する自治体から、 無料の風疹抗体検査と抗体が十分でない場合に無料の予防接種を受けられるクーポン券が郵送されました。しかし、利用率は2割と低迷しました。本研究では、どうすれば利用率が向上するのか、その関連要因を探るため、インターネットによる質問票調査(20年3月)を行いました。

回答を得た41〜47歳の男性1680人のうち、19年度に風疹のクーポン券が届いたことを認識していた人は51%、抗体検査を受けた人は26%、予防接種を受けた人は6%でした。教育歴や婚姻状況にかかわらず、風疹抗体検査を受けた人では「政府が風疹の予防接種を勧めていることを知っている」、 「抗体検査を受けた知り合いがいる」、「子供の頃に予防接種を受ける機会がなかったことを知っている」という特徴があることが分かりました。これらの特徴を持つ人は持たない人に比べ、クーポン券が届いたことも認識していました。さらに、「予防接種歴を母子手帳で確認できる」人や 「直近のインフルエンザ予防接種を受けた」人も、風疹抗体検査を受ける傾向がありました。また喫煙者は非喫煙者と比べ、クーポン券が届いていないと回答しがちでした。

2月4日は風疹の日でした。成人男性に風疹の定期接種制度を知ってもらうこと、制度を知り合いに広めてもらうこと、職場の健康診断などで誰でも抗体検査を受けやすくすることで、利用率向上につながる可能性があります。

https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20210208140000.html (筑波大学公式 HP)


How parental diet can affect offspring’s health (Nature Index: Research highlights 2021年1月) 

シュプリンガー・ネイチャーが運営するデータベースサイトNature Indexでは、毎月、主要な82ジャーナルの中から、本学所属の研究者による研究論文1報を、Research highlightsとして選出しています。 2021年1月は、医学医療系・石井俊輔 教授(連携大学院)、医学医療系・村谷匡史 教授らの研究が紹介されました。。

https://www.natureindex.com/article/10.1016/j.molcel.2020.02.028 (Nature Index)


体内のマンノース濃度を保つ仕組みを解明〜進化の過程で選択された糖代謝経路〜

シアル酸は細胞の表層を覆う糖鎖の末端に位置し、細胞間認識や微生物との相互関係に関わっています。哺乳類が糖鎖合成に用いるシアル酸にはNeu5AcとNeu5Gcがあり、ヒトは進化の過程でNeu5Gcを合成する酵素(CMAH)を失いました。 しかし牛肉や豚肉などの赤身肉に含まれるNeu5Gcはヒトの糖鎖に一部組み込まれ、血中の抗Neu5Gc抗体による炎症を生じます。そのためNeu5Gcは動脈硬化や大腸癌などの疾患との関連が注目されています。一方、魚類の糖鎖から発見されたシアル酸Kdnは、当初、ヒトを含む哺乳類には存在しないと考えられましたが、 糖鎖合成に必須であるマンノースの代謝産物として産生され、前立腺癌などの悪性腫瘍組織にも含まれることなどが分かってきました。

本研究では、シアル酸と腎不全の病態との関連を調べるため、血液透析患者の血液を分析したところ、Kdnが蓄積していることを見いだしました。さらに、血液透析患者の血中では、Kdnが健常者の約6倍に上昇するものの、マンノース濃度は基準値付近に保たれること、健常者では過剰なマンノースがKdnに代謝され、尿中に排泄されることを明らかにしました。 また、マンノースを付加した培養細胞を分析すると、遊離型のKdnは産生されても、糖鎖に組み込まれるKdnはごくわずかであることを明らかにしました。

さらに、マンノース代謝に関連する酵素群の遺伝子配列の分析により、ヒトを含む脊椎動物では、進化の過程で、過剰なマンノースを無毒化し、突然変異を排除するような自然選択(純化淘汰)が行われたことが示唆されました。

https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20210210140000.html (筑波大学公式 HP)


血液中のインターロイキン17A過剰は脳のミクログリア活性を低下させる〜ASDなど精神・神経系疾患治療への道標〜

精神・神経系疾患の発症や病態に免疫系が重要な役割を果たしていることが分かってきました。特にヘルパーT細胞17(Th17細胞)による免疫反応は、自閉スペクトラム症(ASD)や統合失調症、うつ病などの病態に関与することが多くの臨床研究から示唆されています。 これらの患者の中枢神経系ではニューロンの配列・層構造の異常やシナプスの密度・形態の変化などが認められ、機能異常の基盤となっていると考えられますが、Th17細胞がどのように寄与しているかの理解は進んでいません。

Th17細胞は腸の粘膜に多く存在し、インターロイキン(interleukin; IL-)IL-17A産生細胞として同定されました。ASD患者では血中IL-17A濃度が上昇しており、IL-17Aレベルと重症度が相関することが報告されています。ASDは、コミュニケーションが上手くできず、興味や活動が偏るなどの特徴を持つ発達障害で、認知脳機能障害を伴います。 本研究では、血液中のIL-17A濃度が慢性的に高いモデルマウスを作製し、中枢神経系の変化と行動への影響を解析しました。

脳には血液脳関門というバリアがあり、血液中の異物が脳内に入ることを防いでいます。血液脳関門を構成する細胞(アストロサイト)は血管と神経細胞の間にあり、中枢神経系に入る分子を監視する役割があります。このため、アストロサイトがIL-17Aの濃度変化を検知し、活性化するのではないかと推測し、研究を進めました。 そして、脳の中でも記憶の形成に重要な海馬に注目して解析を行いました。その結果、当初の仮説に反し、モデルマウスの海馬アストロサイトの密度や形態には大きな変化は認めらませんでした。一方、海馬の歯状回と呼ばれる部位の脳内免疫細胞(ミクログリア)の密度が顕著に減少し、その活性も低下していることを見出しました。

本研究で、免疫分子IL-17Aが精神・神経系疾患における中枢神経系の器質的異常を引き起こすメカニズムの一端が明らかになりました。ミクログリアを標的とした治療薬の開発や、自己免疫疾患治療薬として確立しているIL-17A抗体などの精神・神経系疾患予防および治療への応用が期待されます。

https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20210212140000.html  (筑波大学公式 HP)


トマト祖先種のゲノム情報を高精度に解読〜品種改良に役立つ遺伝子同定の手がかりに〜

トマトは世界で最も生産される野菜の一つであり、農業的かつ経済的に非常に重要な作物です。近年、特に健康志向の高まりや地球規模での気象変動により、より安定的に生産できる品種や、機能性成分がより含まれたトマト品種の開発が世界的に重要な課題となっています。 形質を改良する育種の過程においては、様々な品種間、あるいは雑種の間で交雑を繰り返して、より優れた品種を作り上げますが、有用な形質を保有する遺伝資源との交雑が優れた品種を作り上げる鍵となります。

トマトの祖先種であるSolanum pimpinellifoliumとSolanum lycopersicum var. cerasiformeは、いずれも現在栽培されているトマトとの交雑が可能です。これらの種は、環境ストレスへの耐性など、栽培種トマトにはない優れた形質を含んでおり、品種改良における有用遺伝子のドナーとなり得ますが、そのゲノム情報は、あまり明らかにされていませんでした。

そこで本研究チームは、長いDNAを解読する技術(ロングリードシーケンシング)を用いて、この二つの祖先種のゲノム情報を高精度に解読し、ゲノムにコードされる遺伝子情報を明らかにしました。本研究成果は、今後、有用な遺伝子を同定する手がかりとなり、トマトの品種改良に貢献すると期待されます。

https://www.tsukuba.ac.jp/journal/biology-environment/20210127140000.html (筑波大学公式 HP)


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