「睡眠障害に悩む人に朗報~移動式睡眠検査施設 茨城県内で実証実験へ~」


睡眠研究で最先端をいく「筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)」(以下、IIIS)と、トヨタ自動車株式会社 未来創生センター(以下、トヨタ)が手を組み、世界で初めてとなる
移動式の睡眠検査施設を開発しました。
日本には睡眠問題を抱える人が、5人に1人いると言われますが、そうした人たちにとって検査を受けやすい環境が用意されると期待されています。

IIISとトヨタでは、筑波大学内に設立された「未来社会工学開発研究センター(F-MIRAI)」(山海嘉之センター長)という共同研究拠点で、睡眠とモビリティの研究を進めています。
今回、この連携によって結実した移動睡眠ラボは、トヨタが開発した、ほぼ無騒音・無振動で大電力を供給できる燃料電池バスに、睡眠検査ユニットを搭載させたものです。  これにより、バスの中で、睡眠障害の診断が可能な「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)」が受診できるようになります。検査する時間がない、検査施設が遠いなどと悩んでいる人たちにとっては、画期的な機会が提供される可能性が出てきたことになります。

PSG検査ができる施設は全国で700程度ありますが、患者数に対して十分な数ではないと指摘され、予約から受診まで3~4か月かかる状況とも言われています。
この画期的な移動睡眠ラボは、しかもPSG検査よりも厳しい条件を要求されるヒト睡眠研究施設としても使用できる高機能なもので、睡眠研究の最先端・IIISとトヨタがタックを組んだからこそ実現できたものと言えます。

IIIS機構長である柳沢正史教授は、「IIISとトヨタとの異分野融合研究が、移動睡眠ラボの開発に結実し、世界初の試みとなりました。近い将来、いつでも、どこでも、本格的な睡眠検査を受けられるのは大変素晴らしいです。移動式睡眠ラボの開発が契機となって、将来、燃料電池バスをベースとしたX線検診車やPCR検査車、救急車等が開発されることを期待しています。」と、その意義について語っています。

この睡眠ラボがさらに、ストレスから不眠に悩む方々や長距離ドライバーの方々にも活用され、日本の睡眠問題解決の一助になればと、筑波大学とトヨタの研究チームは願っています。

今回開発された移動睡眠ラボは、さっそく現場で使うべく、筑波大学がある茨城県内の病院での実証実験が計画されています。その結果は論文として2023年にも発表することにしています。

〇内容に関する問い合わせ先:
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)
TEL: 029-853-5857
E-mail: wpi-iiis-alliance@ml.cc.tsukuba.ac.jp

〇関連サイト(トヨタ自動車未来創生センターHP)
https://global.toyota/jp/mobility/frontier-research/38233999.html

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