筑波大学 システム情報系
鈴木 健嗣 教授
立位移動車椅子、段差踏破、パーソナルモビリティー
http://www.ai.iit.tsukuba.ac.jp/index-j.html
下肢運動障害を持つ人々に、自律的な行動や社会的行動を劇的に変革させる新テクノロジーを提供します。具体的には、健常者と肩を並べて立位で移動することを可能とし、駅構内などでの数段の段差は自力で踏破できる車椅子を提供します。
立位支援と段差踏破
人体構造と人体力学を徹底的に理解し、利用することによって以下の2項目を可能とします。
(1)立位支援
通常の椅子から立位に体位変換し、立位のまま移動できるパーソナルモビリティーを提供します。従来技術では、姿勢変換と立位走行を両立させたものはなく、本技術では体力学の活用により、受動機構(モーターレス)による姿勢変換を実現しています。
(2)段差踏破
段差踏破時は、重心を極限まで下げて利用者の安心感を実現し、特殊形状の踏破用車輪を上肢の力のみで(モーターレス)駆動します。これによって、モーターを搭載することで重くなり、重心が高く、利用者の恐怖心も大きかった従来技術の問題点が解決されます。
使用イメージ
◆標的セグメント・市場性
日本:交通事故 労災などによる肢体不自由者が180万人(うち下肢障害者は1/3)、 他に高齢者向け市場も有望
米国:約27万人の脊髄損傷者(年間約1万人の受傷者、平均年齢41歳)
企業などへのメッセージ
開発モデルは、車椅子のライフスタイルを変える日常生活支援機器としての応用だけでなく、すでに脊髄・脊椎疾患者らによる試験に成功しており(臨床試験中)、リハビリテーション支援機器としても展開したいと考えています。パートナーとなっていただける企業様を求めております。
特許・主な論文
・姿勢可変立位式移動装置及びその制御方法
(特開2014-183977)
・階段昇降機能付き車椅子
(特許出願済)
– Eguchi, Y., Kadone, H., and Suzuki, K., “A Standing Mobility Vehicle with Passive Exoskeleton Assisting Voluntary Postural Changes,” Proc. of IEEE/RSJ Intl. Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS 2013), pp. 1190-1195, 2013.
– Sasaki, K. Yosuke, E. and Suzuki, K., “Step-Climbing Wheelchair with Lever Propelled Rotary Legs,” Proc. of IEEE/RSJ Intl. Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS2015), pp. 1190-1195, 2015.