血液バイオマーカー検査による認知症・肝疾患の予防医療事業


筑波大学医学医療系准教授
内田 和彦①内田_顔写真(白衣)

http://mcbi.jp/information/business_detail.html

MCI(軽度認知障害)スクリーニング検査で認知症の早期発見を目指す

認知症は早期発見により進行を抑えられたり、症状の種類によっては治すことができたりできる病気です。ところが現状の検査方法は高額で、専門医による主観的検査に頼らざるを得なく、普及に至っていないのが現状です。

また、肝疾患においても、肝生検など患者への負担が大きい検査が主体であり、早期発見のための検査方法が確立していません。

本事業では、それぞれについて新規バイオマーカーを見出し、早期発見のための血液検査とその後の予防対策・治療に向けたプログラムを確立し、予防医療事業の拡大を目指しています。
MCBI図

 

 

検査機関&クリニックにキットやプログラムを提供

―認知症における本技術の特徴―

認知症の診断に広く用いられている検査として、改訂長谷川式知能評価スケール(HDS-R) とMMSE (Mini-Mental State Examination) があげられます。被験者への問診を行い、その結果から判断するため、客観性に欠ける問題点があります。また画像診断法としては、CT・MRI とポジトロン断層法(PET) があり、特殊な設備を必要とするため、すべての医療機関で実施することができません。画像を見る医師によって判断が異なることもあります。

本発明では、認知症予備群である軽度認知障害(MCI)のリスクを血液検査で検出することができます。客観性に優れており、80~90%の高い判定率が期待できます。

想定される用途①予防プログラム・予防サービス等の事業開発を担う企業との協業②検査・予防プログラム事業のディストリビューション開発を担う企業との協業

―肝疾患における本技術の特徴―

一般的な血液生化学検査と画像診断では、脂肪肝(NAFLD)や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の診断は難しく、NASHの確定診断は肝生検で行っているのが現状です。しかし、肝生検は侵襲を伴うため、患者への負担が大きいのも事実です。本発明では、新たに血液バイオマーカーp35タンパク質を見出し、サンドイッチELISA法を開発しました。この方法による肝炎の臨床有効性試験では、限りなく100%に近い高度な診断精度が得られました。臨床症状のない前臨床期に検査を実施し、早期に治療的介入を行う先制医療・予防医療を実現したいと考えています。また人間ドッグやクリニックへ、血液検査キットと予防・治療プログラムを提供することで、予防医療事業の拡大を目指しています。認知症において、病期の進行や治療効果をモニターする検査として、またコンパニオン診断薬として薬事承認と保険適応を受けています。

想定される用途①ELISAキットの委託製造を担うメーカーとの協業②体外診断薬メーカーとの薬事申請の協業③検査後の予防/治療プログラム開発についてアイデアのある企業との協業

 

特許・主な論文

PCT/JP2013/067785

Alzheimerʼ s & Dementia: Diagnosis, Assessment &

Disease

Monitoring 1 (2015) 270-280

 

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