2022年度受講者の声

2022年度につくば次世代アントレプレナー育成プログラム~ビジネスデベロップ講座~を受講した方々の体験談やメッセージを紹介します。

参加区分  ▼ シーズオーナー ▼ フォロワー ▼ トレイニー ▼ 聴講者

 

シーズオーナー

筑波大学 池田 豊さん

- ビジネスデベロップ講座を受講した理由
ここ十年ほど特にドラッグデリバリーシステムの開発を通じた創薬研究に従事している。その中で特に抗がん剤治療における副作用の低下が重要であると感じた。これまでに開発した化合物はいずれも従来の抗がん剤をプロドラッグ化したものであり、副作用が劇的に減少しており、臨床の医師からも高い評価を受けている。アンメットニーズ分野での優れた医薬品を是非とも我が国から創出すべく、可能性があることを全て行う覚悟である。本講座により、起業に関するビジネスマインドやビジネスプランの作成に関し学びたいと思うに至った。

- この講座でよかったことや印象に残ったこと
大変でしたが知らないことばかりで日々勉強だった。特に日々研究を行っている研究者にとって、自分の研究をどうやって事業化するか、普段あまり意識していないことを強く意識するいい機会だった。

- この講座で最もチャレンジングだったこと
事業化へのロードマップを描く事を意識したこと。

- この講座で最も身についたこと、成長したこと
足りないことを明確にし、解決を試みたこと。

- 参加後のご自身の活動にもたらした影響や変化
メンター陣を見たり話をしていい刺激になった。面白いことをやり、社会還元する事の意味を再確認した。

- これから参加を検討する方へのメッセージ
絶対に参加した方がいいです。いい勉強と経験になります。大変ですが、是非とも頑張ってください。

 

農業・食品産業技術総合研究機構 大池 秀明さん

大池 秀明さんの写真

- ビジネスデベロップ講座を受講した理由
ペットテック分野が新興しており、国内では年70%近い成長率で拡大している(2023年に50億円規模)。また、ペットの高齢化を背景に、国内のペット療法食/サプリメント分野は500億円規模で(2021年)、年10%程度の成長率である。アニマルウェルフェア、および、抗生剤低減の流れから、家畜の飼料添加物としての生菌剤市場は、世界で9.8億ドル(2018年)、年平均成長率が 7.7%程度と拡大を続けている(2026年に17.7億ドル)。
これらの拡大する市場で農研機構のコア技術を生かした事業を確立することを目指し参加した。

- この講座でよかったことや印象に残ったこと
本当に自分が何をやりたいのか、しっかりと見つめることができた。研究とビジネスはまったく違うものだと考えていたが、仮説の検証を繰り返していくといった基本的な取り組みは同じであることがわかった(驚き)。メンターが親身になり、一緒に活動していただいたことに本当に感謝している。

- この講座で最もチャレンジングだったこと
ビザスクを活用して、実際に、その分野のビジネスパーソンにインタビューをしたこと(初めての経験)。

- この講座で最も身についたこと、成長したこと
マインドが大きく変わったと思う。研究と社会はもっと相互作用してよくて、そのツールの1つとしてビジネスを考えるようになった。

- 参加後のご自身の活動にもたらした影響や変化
まずは行動してみようと思えるようになった。実験するだけでなく、人に話を聞きに行ったり、アイデアをぶつけてみたり。

- これから参加を検討する方へのメッセージ
研究を続けるとしても視野が広がると思います。研究の世界しか見えていない研究と、世の中を見ながらやっている研究とでは、“生きの良さ”が違うのではないかと思います。

 

宇宙航空研究開発機構 森田 泰弘さん

森田 泰弘さんの写真

- ビジネスデベロップ講座を受講した理由
事業化のシーズ(学術研究として開発している新開発の固体ロケット燃料:LTP)をスピンオフするためのビジネスプランの原案は既にできていたが、本講座に参加することでその完成度を高め、投資対象たるレベルにまで事業の全体像を昇華させたいと考えた。また、本講座を通して事業化や事業の遂行に必要なスキルを実践的に習得することにより、事業の立ち上げ時期を早め、立ち上げ後の確実な事業運営につなげたいと考えた。

- この講座でよかったことや印象に残ったこと
受講前の事業計画は自分としては満足のできるものであったが、実はそうではないことが分かった。手厚いメンタリングにより正しくピボットし、事業計画の見通しを大幅に改善することができた。これは受講前には想像もできなかったことである。講座を通して新たな人脈を構築できたことも大変よかった。

- この講座で最もチャレンジングだったこと
複数考えていた事業セグメントに優先順位をつけて一点に絞ったこと。つまり、本当に自分がやりたいことは何か?という問いに対して、自ら答えを見出したこと。

- この講座で最も身についたこと、成長したこと
身についたこと:新事業を創出するための知識と技術。
成長したこと:広いつもりでいた自分の視野が実は狭いことがわかり、これまで以上に高い視点、深い視点で物事を考えるようになった。

- 参加後のご自身の活動にもたらした影響や変化
他者の視点で物事を見ることができるようになり、他者との関係がより味わい深いものとなった。

- これから参加を検討する方へのメッセージ
新事業を創出しようとしている人には絶好の機会だと思います。これまで同種のプログラムを複数受講したことがありますが、投資家との接合など目指すレベルの次元が全く異なります。
今になってみれば笑い話ですが、業務多忙だったこともあり受講の申し込みを逡巡していました。プログラムの内容を正しく理解していれば、万難を排してでも参加を希望したと思います。

 

フォロワー

農業・食品産業技術総合研究機構 オン 碧さん

オン 碧さんの写真

- ビジネスデベロップ講座を受講した理由
会社経営の経験どころか、社会人3年目と職歴も浅いため、ビジネスの知識がほとんどない。また、国立研究開発法人勤務のため、日頃の業務では営利活動に必要なスキルを身につける機会もあまりない。
起業や事業化のノウハウを学ぶことはもちろん、ビジネスの本質を理解したいと考え参加した。

- この講座でよかったことや印象に残ったこと
・集合研修やメンタリング期間を通して、スタートアップの基礎やモデルケースを学べたこと。
・個別メンタリングにおいて、メンターとのインタラクティブな活動から、事業化までの過程をリアルに感じられたこと。
・ネットワーキングで他機関の職員と交流できたこと。

- この講座で最もチャレンジングだったこと
参加したこと。

- この講座で最も身についたこと、成長したこと
ビジネスの成り立ち・進め方の基礎、ビジネス用語、プレゼン手法。まだまだ勉強不足ではあるが、所内会議での事業化の話題が理解できるようになり、会議の内容についていけるようになった。

- 参加後のご自身の活動にもたらした影響や変化
国研職員ということもあり、講座受講前は、私の人生に「アントレプレナー」はあまり関係ないと思っていたが、講座を経て、「『ニーズ』と『計画』と『やる気(覚悟)』があれば、私でも起業家に挑戦できる」という考えに変わった。また、本講座で得られた事業計画、経営や知的財産などの知見は、起業する・しないに関わらず、現職においても、経営企画、事業開発や民間企業との業務に活かせる共通の学びである。
身の回りにビジネスシーズが多く存在することに気付き、普段の業務からニーズやペインを見つけることが、重要なことがわかった。自分の志を大切にしながら、周囲にアンテナを張って業務に取り組むようになり、仕事への意識も変わった。

- これから参加を検討する方へのメッセージ
ノウハウやスキルがない人こそ参加してみるべきと思います。講座を通して得られる知見や考え方、参加者との繋がりは、今の業務にも役立つと思います。

 

高エネルギー加速器研究機構 牧村 俊助さん

牧村 俊助さんの写真

- ビジネスデベロップ講座を受講した理由
加速器材料開発をきっかけとし、産学連携の元、タングステン合金の産業応用を目指した開発を進めてきた。製造環境が整備されつつあるが、 外部資金の区切りを迎え、新たな申請を重ねている。しかし、時代の要請に沿った用途開拓が不十分で採択に至らず、用途開拓・市場調査・ビジネス化を目指した広報の仕方などを勉強するために参加した。

- この講座でよかったことや印象に残ったこと
ビザスクを知らなかったので良い情報源となった。講師の講義はどれも聞き応えがあった。

- この講座で最もチャレンジングだったこと
初めはシーズオーナーの意向を理解するのに時間がかかったが、シーズオーナー自身が情報の整理に時間がかかったとも解釈できる。どのシーズでも客観的な視点で議論を深めることによって、自身のシーズが置かれた情報を整理するプロセスが重要だと感じた。

- この講座で最も身についたこと、成長したこと
ビジネスモデルの重要性を理解した事、構築の仕方を学んだこと。個々の状況に合わせた調整は必要であるが、基本的な手順は存在することが分かった。それすら知らなかったとも言えるので、確実に一歩は進んだと思える。

- 参加後のご自身の活動にもたらした影響や変化
スタートアップやベンチャーキャピタルの本質を理解していなかったので、世の中の仕組みの理解が深まった。自分よりも若い人が野心を持って世の中を変えようとしていることは自分の励みにもなった。

- これから参加を検討する方へのメッセージ
この講座にシーズオーナーとして参加すると起業をしなくてはいけない責任が生じるように感じていたが、そもそも起業に踏み出せる案件は稀であり、その条件を確認できるくらいの気持ちで、あくまでDEMOとして気軽に参加するのが良いと思います。

 

GPSSホールデイングス株式会社 丸山 祥宏さん

丸山 祥宏さんの写真

- ビジネスデベロップ講座を受講した理由
これまでの社内プロジェクトで習得してきた技術や専門性を活かし、新たに社外にもサービスを展開していくことを目指している。そのために必要となる、事業化のための具体的なノウハウやマインドセットなどを習得したく受講した。

- この講座でよかったことや印象に残ったこと
スタートアップや新規事業の立ち上げにおいて留意すべき点や行うべき行動についてよく理解できた。

- この講座で最もチャレンジングだったこと
担当したシーズやその事業案を客観的に理解して適切なサポートを行うこと。

- この講座で最も身についたこと、成長したこと
スタートアップや新規事業の立ち上げにおいては、その技術を本当に必要とする人は誰でそれをどのように届けるべきか、という目線が最も大切であることが理解できた。

- 参加後のご自身の活動にもたらした影響や変化
自身の新規事業立ち上げの参考となったのみならず、実際に起業されたりVCとして現役で活躍されているパワフルなメンターや参加者の方々と様々な議論をできたことは、自身にとって非常に大きな刺激になったと共に、大切なご縁であるとも感じた。

- これから参加を検討する方へのメッセージ
自身のシーズや事業のネタはまだなくとも、フォロワーとして議論に参加するだけでも大変価値のある講座だと思います。

 

トレイニー

物質・材料研究機構 市村 桂子さん

- ビジネスデベロップ講座を受講した理由
起業を希望する研究者ごとに適した支援を提供するうえで有効な伴走支援について、現在、物質・材料研究機構においては外部専門家を頼っている部分が多く、自身の起業支援に関する知識・ノウハウを高めていきたいと考えていたため。また、起業者が気を付けるべき点やアンテナを張っておくべきことについて、メンターの方々がどのようなアドバイスをされるのか学びたかったため。

- この講座でよかったことや印象に残ったこと
新しいネットワークができたこと。また、参加したシーズに関する知識が増え、そして起業に向けた工程を一部ではあるが実際に一緒に経験できたこと。

- この講座で最もチャレンジングだったこと
トレイニーとして2チームに参加することを選択したが、両チームを充分にフォローすることに限界があったこと。

- この講座で最も身についたこと、成長したこと
チームワーク。特にシーズオーナーへの負荷は大きかったが、参加者みんなで手分けして作業し、少しでも力になれたのではと思う。

- 参加後のご自身の活動にもたらした影響や変化
研究者の方々の熱い想いをたくさんお聞きすることができ、事務方として、頑張っている研究者の方々の力になっていきたいと、より一層思えたこと。

- これから参加を検討する方へのメッセージ
トレイニーという立場にあってもなかなかタフな3ヶ月間ではありましたが、人脈も広がりますし、メンターの方々は常に親身になって相談にのってくれます。
前を向いて頑張れる講座なので、ぜひ受講をお勧めしたいと思います。

 

高エネルギー加速器研究機構 本田 孝志さん

本田 孝志さんの写真

- ビジネスデベロップ講座を受講した理由
昨年度の筑波大学Global Tech EDGE NEXTプログラムにフォロワーとして参加し、担当シーズの事業化ビジョン形成を行っただけでなく、シーズの枠を越えて多くの議論を活発に行ってきた。これまで経験してきたメンターの方々の着眼点やメンター間の連携方法を学ぶことで、従来の研究活動だけでは得られないメンタリング技術を習得するため、今年度はトレイニーとして受講した。

- この講座でよかったことや印象に残ったこと
いろんな分野の参加者がいる中で多角的な視点(サイエンスだけでなく市場・事業計画)で議論が活発に行われ、思考の柔軟性という観点からも刺激的な講座だった。

- この講座で最もチャレンジングだったこと
既存技術の情報収集・比較をしつつ、どのニーズに一番刺さるのかをインタビューから拾い上げるということと、市場での発展性を検討するところ。

- この講座で最も身についたこと、成長したこと
上流工程のペインに着目していたが、インタビューから下流工程(現場・臨床)でのペインにシーズが刺さりシーズが大きく化けるという展開を経験できたことは、メンバーとして非常に貴重な経験だった。

- 参加後のご自身の活動にもたらした影響や変化
引き続きシーズへのサポートするつながりを始めとして、拡大したコネクションを通しての交流が講義終了後も続いている。

- これから参加を検討する方へのメッセージ
研究者にとってはこれまでと違った人たちとの交流、コネクションの幅を広げるだけでなく、多角的視点による議論やいいインスピレーションが身に着くので、迷ったらまずは経験してみる・一歩を踏み出すのが大事だと思います。

 

聴講者

産業技術総合研究所 石原 綾夏さん

石原 綾夏さんの写真

- ビジネスデベロップ講座を受講した理由
技術シーズをスタートアップとして社会実装する際、どのようにビジネスとして構築していくのか、支援側として把握しておきたかったため。

- この講座でよかったことや印象に残ったこと
ビジネスプランを構築していく過程が生々しく拝見できたこと。アドバイスをもとに模索しながら構築していく方法はシーズごとに様々で、考え方や進め方について、ビジネス視点での学びが多いプログラムだった。方法論やフレームワークはあっても、正解はなく、それぞれの解を見出していくことがビジネス構築であることを知った。

- この講座で最もチャレンジングだったこと
(産総研参加者の窓口担当として)シーズオーナーである研究者ではなく、事業支援という立場である総合職の職員に参加してもらったこと。

- この講座で最も身についたこと、成長したこと
わかりやすいレクチャーを通じてスタートアップの基礎から学べたこと。
自身がスタートアップに関わる業務に携わるようになって数か月後にこのプログラムに参加したが、業務に対する理解スピードと質が向上した。

- 参加後のご自身の活動にもたらした影響や変化
スタートアップ(事業)創出に対する考え方の中には、国研にも取り入れられる要素があると分かり(チームで動く重要性、事業開発の進め方等)、より自分事として組織の在り方を考えるようになった。

- これから参加を検討する方へのメッセージ
自分がもつ研究シーズがどのような形で社会実装される可能性を秘めているのか、多くの視点からそれを検証することができるプログラムです。シーズ発案者に限らず、支援サイドの方々にもぜひご参加いただきたいです。日頃の支援を見直すきっかけにもなるかもしれません。