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高細精医療イノベーション研究コアの概要

高細精医療イノベーション研究コアは、文部科学省の「地域資源等を活用した産学連携による国際科学イノベーション拠点整備事業」(平成24年度)により、 筑波大学と慶應義塾大学が共同提案した「拠点名:高細精医療イノベーション拠点」として整備されました。
本研究コアでは、産学官が一つ屋根の下に集い、異分野・異組織融合体制で革新的医療研究開発に取り組む「場」として高細精医療イノベーション棟で地域資源等を 柔軟に活用しつつ、持続的なイノベーションや産業・雇用の創出を図ることを目指しています。
具体的には、医療ネットワークと計算科学・情報通信技術等を利用して、生命医科学情報の統合・共有化と活用を可能とする拠点を形成し、地域産業の活性化を目指すとともに、 医療連携情報の二次利用、超早期診断医療技術、医療画像インフォマティクス、医療創薬加速システムの開発を行い、メディカルフィールドイノベーションを進め、産学官連携による 高細精医療を実現し、グローバルな競争力を有する新規な医療産業を興します。

本拠点の開発概要

「高細精医療イノベーション研究コア」では、以下の主軸となる5つの課題を設定・解決することにより、産業の創出を目指します。

1.医療連携情報の2次利用ソフトの開発:セキュリティシステムの開発

病院の医療現場のオンサイトで入手した種々の医療情報を匿名化処理し、2次利用することが可能なシステムをハードとソフトの双方を考慮して構築する とともに、このようなシステムについて実証試験を進めます。さらに医療データの分析など、種々のアプリケーションを開発することを目指します。

2.革新的超早期診断医療技術開発(Biomarker Signature):先端医療への応用

がんや感染症、アレルギー、糖尿病を含むメタボリックシンドローム、アルツハイマー病などの疾患においては、早期に発見して治療することが極めて重要です。 これらの疾患は、遺伝素因と環境因子が相互に関わり合って発症しますが、遺伝素因を同定してその遺伝子産物に対する特異的かつ効果的な医薬分子を開発する ことができれば発病する前に未病状態の前臨床期疾患を治療する先制医療が可能となり、これらの疾患を完全に克服できることが期待されます。先制医療を実現 させるための遺伝素因の同定は、全ゲノム関連解析、プロテオーム解析、メタボローム解析などとコホート研究や疫学研究を統合的に組み合わせた解析により 可能となります。また、各個人に最適な治療薬の投与量や投与方法を選択するオーダーメイド治療を実現するために、コンパニオン診断を開発することを目指 しています。

3.Clinical Image Informatics(PET診断、非標識分子病理診断)

新規PETプローブを合成できる装置を「次世代分子イメージングつくば画像検査センター」内の研究用ラボに導入し、有用な医薬分子候補化合物を治験まで進めて行きます。 また、茨城治験ネットワーク、慶応大学病院とその関連病院が高速ネットワークを活かした研究体制の構築を行ないます。
前臨床における動物を用いた分子イメージングの解析は、シーズとなる医薬分子候補化合物あるいはバイオマーカーを11C、18FなどのPET核種で標識し、動物用PET/CT、 動物用MRI等で詳細な体内分布、体内動態を解析します。動物実験によりその有効性や安全性が確認できた後に、同様のPETプローブを用いてヒトでのPETの探索的臨床試験、 治験へ速やかに研究を進めていきます。

4.効率的医療創薬システム開発

創薬開発は、創薬シーズの探索・同定と医薬分子リード化合物の創成・最適化を含む「探索研究」、モデル動物を使用した安全性・毒性試験、薬物体内動態、薬効・薬理試験などの 「前臨床試験」、およびヒトを対象とした「臨床試験」のプロセスで進められます。創薬開発を迅速に実現させるためには、これらの各創薬開発ステップを連結するシームレスな連携と、 創薬プロセスにおいて障害となっている問題を解決できる技術開発および創薬研究の迅速な稼働を可能とする研究開発体制が極めて重要となります。これらの課題を克服するために、 以下の戦術を計画しています。
1) 生命科学と化学の協働により、新規性の高い医薬分子リード化合物誘導体を創成する
2) 本研究コアを構成する民間企業と大学の連携により、医薬分子リード化合物のハイスループットスクリーニングと薬理学活性評価を合わせて実施する
3) 効率的な医薬分子リード化合物誘導体を迅速に創成するため、計算科学技術によるin silico設計を積極的に活用する
4) 数理モデルを利用して、モデル動物での医薬分子候補化合物の有効性実験結果をヒトに外挿できる予測システムを構築する

5.食と運動による健康の増進

超高齢社会では、高齢者が活力を保持し、生産性を維持しながら元気に長生きするsuccessful agingのために、①心身機能、②活動、③参加(社会との関わり)という「生活機能」が 極めて重要になります。そこで中高齢者の生活機能の向上を目指して、包括的な健康長寿プログラム(介入プログラム)を開発します。また、機能性食薬品の製品開発も目指します。 具体的には、以下の研究を予定しています。
1) トップアスリートで実証されたスポーツ栄養科学研究成果を応用し、サプリメント摂取やサプリメント摂取と運動の併用が中高齢者の 体力維持・生活の質改善や生活習慣病の予防・改善に与える効果を大規模コホート研究で検証する 。
2) 中高齢者における身体活動、食生活、疾患リスク、住環境などの大規模データベースを構築・解析し、中高齢者が健やかで幸せな生活を 維持できる社会技術を開発する。
3) つくばに集積する伝承薬効情報も含む食薬バイオリソースを対象として機能性食薬品を網羅的に探索し、食薬品としての製品開発を目指す 。