ベンチャーカフェケンブリッジで「筑波大学ナイト」を開催しました


筑波大学ナイトを開催したCIC

筑波大学は、8月29日(木)に、日本の大学としては初めて、世界有数のイノベーション拠点ケンブリッジイノベーションセンター(CIC:1 Broadway, Cambridge)で毎週木曜日に開催される“ベンチャーカフェケンブリッジ”のスポンサーとなり、 在ボストン日本国総領事館の後援を得て、「筑波大学ナイト:The Role of Academia in Innovation」を開催しました。
「日本の大学がケンブリッジで何をしかけるのか?」。この興味をもとに、現地の企業、スタートアップ、ベンチャーキャピタルや在米機関の日本人が数多く参加し、永田恭介学長による講演、パネルディスカッションは立ち見も出て熱い議論が行われました。また、筑波大学発ベンチャーCEOの4人の教員によるフラッシュトークならびにネットワーキングは、会場に溢れんばかりの参加者が集まり大盛況となりました。
MIT Environmental Solutions InitiativeのDirectorであるChristopher Noble氏からは、“A great success! Congratulations to all of you for taking this risk (very entrepreneurial!)”という、筑波大学がリスクに挑戦した成果を評価するコメントを頂きました。


  • 17:30-17:35 ボストン日本総領事館 主席領事 中村安志氏祝辞

ケンブリッジ市とつくば市は姉妹都市であり、今回筑波大学がベンチャーカフェケンブリッジで筑波大学ナイトを開催することは喜ばしい。筑波大学は147年の歴史を持ち、日本最大の研究学園都市の中核にあるとともにスタートアップが盛んな大学である。そして、スローガンは“IMAGINE THE FUTURE”である。


  • 17:35-17:50 永田恭介学長 挨拶

日本と米国の大学を取り巻く産学連携、スタートアップを取り巻く環境は、大きく異なっている。筑波大学は、学際的な研究体制とともに教員や学生のスタートアップが盛んな大学である。2019年から筑波大学は、日本国内にとどまらず、ボストンやシリコンバレーなど世界を牽引するイノベーション拠点に教員や学生を送り込み、国際的なスタートアップ活動を促進していく。


  • 17:50-18:35 パネルディスカッション

ベンチャーカフェが指名したBAE System Inc.のNacy Saucier氏をモデレーターとして、MITのJacob Levin氏、石井裕教授、筑波大学のベントン副学長、落合陽一准教授がパネリストとして参加した。

左からBAE Nancy Saucier氏、MIT Jacob Levin博士、筑波大 Benton Caroline副学長、筑波大 落合陽一准教授、MIT 石井裕教授

永田学長のキーノートスピーチでの鋭い問題提起もあり、途切れなく活発な討論が行われた。筑波大学、MITのスタートアップ支援施策に続き、投資を含めた日米のスタートアップ環境や経営人材の差に関して活発な議論となり、最後まで立ち見がでるほど盛況であった。ベントン副学長は、学際性や国際産学連携本部による産学連携やスタートアップの強化を、落合准教授は、教員がCEOになれること、特別共同研究事業などフレキシブルな体制がスタートアップの後押しをしていることなど、筑波大学の特徴を述べた。

CICの創業者であるTimothy Rowe 氏から、「日本からグローバルカンパニーで活躍できるCTOを育成するために何をすれば良いのか?」という質問も出た。ベントン副学長は、9月からCICコワーキングスペースに教員、学生を送り込みプロダクトマーケットフィットを現地研修する国際ユニコーン育成プログラムを紹介した。
最後にMITの石井教授が、「今回のテーマは、The Role of  academia in innovationである。ファンドやマネーの議論に集中したが、大学にはサミットのようにたくさんの頂がある。登る道もいくつもある。ロマンを持って取り組むことが重要だ。」と述べ、会場から大きな拍手が沸いた。学内ポリシー視点については Levine博士 vs ベントン副学長、研究者(起業家)視点では石井教授 vs 落合准教授というMIT・筑波大ペアリングの構成が活発な議論を呼び起こし、Nancy氏の一流の進行とあいまって良い成果を産んだ。


  • 18:15-19:30 フラッシュトーク

フラッシュトークは、え!というほど小さなガラス張りの小部屋で行われた。しかし、これがベンチャーカフェスタイルである。小さな部屋に2、30人が入り、密な議論が行われた。ガラス越しに覗く参加者も多く見られた。

Room 1:Digital Health  18:15-19:00

Room 2:Computer Tech  18:45-19:30


  • 18:30-20:00 ネットワーキング

ハーバードのメディカルセンターに在籍中の日本人留学生が、「今日はボストン中の留学生が来ているのではないか」と言っていた。それほど、筑波大学がベンチャーカフェを開催することが日本人サークルでも注目されていたとのこと。日本の大学として初めてスポンサーとなって開催した「筑波大学ナイト」は成功裏に終わったと言えるだろう。

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