筑波大学 生命環境系
坂本 和一 准教授
分子栄養生物学、食品科学、機能生物化学、分子細胞生物学
http://www.kazlab-sirtuin.net
長寿遺伝子(サーチュイン等)は、抗老化や寿命延伸および生活習慣病の予防・改善などに関わることが知られています。本技術は、線虫の長寿遺伝子活性を指標にして、ファイトケミカル(フラボノイドなど)や植物抽出物のアンチエイジング(抗老化形質、運動性向上)、予防医学(抗肥満、抗糖尿、抗炎症、ストレス耐性、再生など)に対する生理・薬理機能を高感度かつ短期間で探索・解析します。
今技術の特徴
線虫は飼育が容易で寿命が短く、ヒトと類似の器官構造や相同遺伝子を持つ優れたモデル生物の一つです。この線虫の評価系を用いることにより、長寿遺伝子(サーチュイン)の活性化に関わる生理機能物質を簡便かつ迅速、しかも高感度に探索・評価することが出来ます。
企業などへのメッセージ
植物由来の生理機能物質(ファイトケミカル)には、長寿遺伝子(サーチュイン)の活性化に働く物質が数多く知られています。
植物はもとより動物組織、菌類、微生物や発酵産物由来の生理機能物質に着目し、長寿遺伝子の活性化に働く新規機能分子の探索し評価することで、医薬品や健康食品、サプリメント、化粧品、バイオマテリアル、飼料などへの応用が期待できます。
健康長寿に働く生理機能物質を線虫を用いて、短期間かつ低コストで探索・評価することができます。機能性の高い物質は、培養細胞やマウスを用いて再評価することもできます。さらに、機能性の分子メカニズム解析や機能分子の同定も行っています。
食品・化粧品・医療品・香料・ヘルスケア製品メーカーとの連携による素材の機能性評価や商品開発を希望します。
特許・主な論文
1)坂本和一(2013)「健康長寿に働く新規生理機能物質の探索と解析-長寿遺伝子と健康」アカデミックフォーラム-BioTech2013、東京ビッグサイト、2013,5,9
2)坂本和一(2013)「健康長寿やアンチエイジングに関わる長寿遺伝子活性化物質の開発と機能解析」、茨城県産業支援機関等合同成果発表会、水戸市、2013,2,14